学校法人 大阪国際学園
理事長 奥田 吾朗
2022年度、守口市松下町の新校地に大阪国際中学校・高等学校がスタートすることになりました。これをもって大阪国際学園のキャンパス整備計画がひと段落することになります。土地の売却や既存の施設の整備などが今後の課題として残りますが、これからの30年間、教育活動に力を傾注していく基盤が出来上がったことになります。これからは、幼稚園から大学まで、それぞれの学校が教育の質を高め、建学の精神と理念の下、社会の求める人材をしっかりと輩出していくことで、更なる歴史を積み重ね、地域と世界を支える人材を輩出していくことになるでしょう。
しかし、ハード面の整備がひと段落したとはいえ、これからの教育は非常に難しい時期を迎えていると感じています。技術の進歩はとどまることなく、私たちの価値観を大きく揺るがすほどの社会になりつつあります。もちろん、教育の世界でも様々な学びの手法に変革をもたらすだけでなく、学ぶべきものが何なのかを真剣に考えなければならない時代であると心配しています。一歩間違えれば進歩の波の中に子どもたちは飲み込まれてしまい、人間としての成長が様々な面で損なわれてしまうでしょう。
新しい学校では、敢えて1万5千冊以上の本を廊下一面に備えています。インターネットでいくらでも本を読める時代に、本を学校の中心に置いたのは、まさに知識と人間の関係をしっかり考えてほしいという子どもたちへのメッセージです。
技術の進歩は、人間の成長に必ずしも有用であるとは言えません。体力、知力、胆力など、様々な生きていく力をどう育み、これからの社会でどのような人材が必要なのかを考え、地域のオピニオンリーダーとして存在できるよう頑張って参りたいと思います。これからも皆様と共に、子どもたちを、未来の宝を育てて参ります。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。