奥田理事長×佐渡 裕氏 対談

奥田理事長×佐渡 裕氏 対談

2.努力する意義があるから、人は輝ける。

奥田:
佐渡さんは子どもたちに音楽指導を行う活動もしていらっしゃいますが、具体的な取り組み内容をご紹介いただけますか。
佐渡:
様々な取り組みに参加してはいるのですが、一番メインで活動しているのは「スーパーキッズオーケストラ」というものです。これは全国で子供の弦楽器奏者のオーディションを行い、合格した子たちに私の指揮するオーケストラへ入団してもらうというもの。上は高校生まで、下は年齢制限なしで受け入れています。私はこのオーケストラが大好きなんです。活動としては地域のボランティアとして演奏会を行うといったものがメインなのですが、子どもたちが成長していく姿を間近で見ることができ、とても嬉しくなります。
奥田:
やはり子どもの成長というものは、他にない喜びがありますよね。それにボランティア活動として演奏会をすることは、コンクールや舞台で演奏するのとは違った良い経験が積めそうです。子どもたちには、特にどういった点に成長が見られますか?
佐渡:
まさに今おっしゃっていただいた通り、コンクール等とは違う場での演奏を経験できることが、子どもたちにとって大きな成長につながるんです。スーパーキッズオーケストラに所属している子は、とてもレベルの高い子ばかりです。しかし意外にも「自分の演奏で喜んでもらった経験」が少ない子たちなんです。今までコンクールや発表会で、「間違っちゃいけない」「ライバルに勝たなくてはいけない」環境で過ごしてきた分、ボランティア演奏会でお客様から「感動した!」と直接声を掛けてもらえることが、とても新鮮に感じられる。そうして「自分たちの演奏は、こんなにも人の心を動かすんだ」と知った子たちは、目に見えて変わりますよ。音楽と向き合う理由が明確になりますから。私はスーパーキッズオーケストラで、この気づきを大事にしています。
奥田:
技術や才能に加えて、「何のために頑張るのか」があることで、さらに上を目指せるようになる……。学びの中でも大変重要なことですね。ただ知識を多く身につけるだけでなく、それをどう生かすのかを考えられる思考力を育めるように、本校でもそういった気づきに出会える機会を増やしたいと考えています。
佐渡:
素晴らしいですね。実際、日本の教育って、非常にレベルが高いと思うんです。音楽について言えば、60歳以下の人であれば、誰でもリコーダーを吹くことができるでしょう?一つの楽器をほぼ全国民が演奏できる国なんて、日本以外にどこにもありません。合唱や吹奏楽部においても、他国と比べて日本の水準には目を見張るものがあります。
奥田:
確かにそうですね。私たち自身、日本の教育の良いところを捉え活かしきれていないかもしれません。身につけた力を将来の糧に変えられるように、勉強して良い成績を取ることがゴールではないということを伝えられるように。ビジョンが見えるよう一人ひとりの生徒と向き合っていきたいです。
佐渡:
お話をうかがっていて改めて感じるのですが、「先生」という職業はとても尊いお仕事ですよね。私は全国の吹奏楽部やその顧問の先生方向けに、悩みや相談を受け付けるクリニックも実施しているのですが、多くの先生方と接する中でそれを強く実感しています。吹奏楽部の顧問の方は、音楽の先生であっても指揮や管楽器の専門家ではないので、指揮者としてどう振る舞えばいいのか、よく相談を受けるんです。でも子どもたちの前ではいつも堂々として、部員たちを引っ張っていく力強さがある。本当に尊敬しています。だからいつもアドバイスをするときは、技術的なことはもちろんですが、生徒にとって一番の指揮者はあなたですから、子どもたちを信頼して一緒に音楽を創ってくださいと伝えるんです。
奥田:
そうですよね。教師だって失敗もするし、不得意なこともあります。でも、教師自身も精一杯勉強し、生徒を信頼して向き合うことで、生徒の喜びも学びも大きくなるはずです。
吹奏楽部の顧問の先生で、生徒を導いていった方といえば、大阪府立淀川工科高等学校の丸谷先生が有名ですよね。
佐渡:
丸谷先生をご存じですか!丸谷先生は実は技術科の先生です。音楽を専門に勉強していないからこそ、音楽を勉強し続けられ、今や吹奏楽部を日本一に導かれています。実は私もご縁があって、淀川工科高等学校を訪れたり、演奏会を聴きに行ったりしているんです。アウトリーチコンサート※では地域の方と積極的に交流されていて、とても印象的でした。非常に親しみやすく、お客様と距離の近い演奏会を開かれるんですよ。
奥田:
やはり人とのつながりがあってこその音楽ですからね。私たちもそういった、「学びを通した心の成長」を大切にする指導をしていきたいです。
  • ※アウトリーチコンサート……校外に演奏しに行く活動のこと。

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